胃腸病

 このコーナーでは日頃気になっている胃腸症状あるいは困っている胃腸症状について一般的なことをお話します。 重大な病状のことも有りますので出来るだけ医師に相談されることをお勧めします。 

Helicobacter pylori(ヘリコバクターピロリ菌)

 胃内はかなりの強酸の環境なので、菌は生存できないと考えられてきました。 しかしながら、この強酸の環境下でも活発に活動している菌がいることが解りました。 らせん状で鞭毛を持っているためヘリコバクターピロリ菌(H.pylori)と呼ばれています。 H. pyloriは食事中の尿素を分解しアンモニアを作りますが、このアンモニアが胃や十二指腸の粘膜を傷害し胃炎や潰瘍を引き起こすと考えられています。 研究者の中には胃癌や胃リンパ腫の原因にもなっていると主張する人もいます。 
 
 H. pyloriは経口感染し、日本人では、中年以降のの50〜60%以上は感染者と見られますので、H. pyloriに感染しているからといって余り神経質になる必要はありませんが、上腹部の症状がある方は胃内視鏡などの精査を受けられといいでしょう。

 除菌療法

 H. pyloriの除菌療法が保険適応になっています。
   胃潰瘍や十二指腸潰瘍を伴うピロリ菌感染症の患者さんには除菌療法が認められています。

便秘
  
"One man's constipation is another man's diarrhea" と言われるように、便秘や下痢は主観的なものですが、一般的には1週間に3回以上、1日に3回以下であれば特別に異常とはいえません。 重大な病気のために便秘になることがあります。 たとえば、大腸がん、特に左側結腸に発生した癌では便秘が主な症状なので、中年以降の方で便秘になった方は是非、専門医に相談されることをお勧めします。 しかしながら、便秘の大半は習慣性、弛緩性あるいは緊張性など機能性の便秘と考えられます。 1日の便の重量は100〜200gで、80%が水分です。 これら水分は繊維に取り込まれているため繊維を多く摂らないと柔らかい良い便が形成されません。 また、ある種の炭水化物やpolysaccharidesが大腸で腸内細菌の作用により蠕動を亢進して排便を起こさせる重要な働きを担っていることも解ってきました。 炭水化物に富んだ食事をとることも重要です。

治療

A. ライフスタイル
   朝食をしっかり摂り、その後排便のために十分な時間をとる。
   運動、walking
B. 食事
   繊維に富んだ食事(フルーツ、野菜、根菜類、ブラン)
   水分
C. 下剤
   ミネラルオイル
   ラクツロース